「好きなんでしょう」

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    クチナシの香り漂う垣根に沿って 仲良しの友と歩む

    うしろから足早で「おはようございます いい香りですね」

    爽やかに挨拶 残して去って行く

    「ほら あの人だよ」

    「もういいの」

    「行っちゃうわよ 好きなんでしょう」

    「ダメなの私が好きでも 好かれてなければ 愛されたいの」

    昨夜から降りつづいた雨もすっかり上がり 新緑が目に染みる朝のことでした。

    クチナシ コクチナシ

     


    お盆近し。

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         原稿の締切日が迫って居り 最近遅く迄起きて居る事が多く 
      ウトウト 眠気が私を襲う 少しの間と 眼を閉じる 
      両肩を押し付けられた様な ズーンと重く 
      体の自由を何者かに 奪わられたよな 
      どうしてお前がこんな所に 昔私が可愛がっていた女が枕元に 
      重い瞼をやっと開く 誰も居ない 再び睡魔が襲い掛かる 
      私は余儀無く瞼を閉じ 眠りの中に 引き込まれる 
      女は再び私の前姿を あの時の様に 冷え切った眼で私を眺め
      何かを言おうとして居る 長髪が唇に掛り 薄気味悪い 
      私が語り掛けると 女は黙って俯いたまま 気のせいか 笑みを感じる
      どの位経ったでろう 睡魔から解放され 我に返った 
      その時 玄関で奇妙な音が 気になり出て見る 
      どうした事だろう すっかり姿を消した と思っていた 女が可愛がっていた タマが 
      鈴を鳴らし 垣根の穴へと走って行き 顔だけこちらを向け 
      私の顔を恨めしそうに ニヤ〜ンと一声 垣根の向こうへ 姿を消した 
      今のは なんだったんだ 私になついて居た あの女 
      もうこの世に居ない 知らせなのか 
         今を思えば私好みの女だった。 
       
      完 

       

       


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