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    • 2017.06.21 Wednesday
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    「今君は如何している?」百三十三話。

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      五年前 ここで別れたあの彼女の様子から思えば

      僕のことなど忘れて今は幸せに そんな事を思ったり

      あのような二人を目の前にすると 僕なんか入る余地などないのだ

      彼女の幸せな姿を見ると ある面ホットしたり ちくしょう何てチョッピリ思ったり

      でも 今までの想いはどこにやら 不思議とスッキリした気分に変わって居るのです

      モヤモヤしていた気持も 今頭上に広がる秋空のように 晴ればれとした思いなのです

      ここまで来たのは無駄ではなかった その様に思えるようになった彼です

      車を出します 辺りの風景を見ながら ゆっくり下って行きます

      涙を浮かべて僕の腕につまり その涙を振り切り 逃げるようにして下った道でした

      否応なしに あの時の事が思い出され 彼女への想いが次々と それは今までの想いと異なり 

      なつかしさを感じる そんな頃も有ったのだ 辛い想い出 楽しい想い出

      そのすべてが青春の想い出の 一ページとなった事は 言うまでも有りません

      これを切っ掛けに 年賀状だけのお付き合いが始まったのです 

      月日が流れ 彼にも可愛いお嫁さんが ハネムーン・ベビーと言う事で 可愛い男の赤ちゃんが

      そんな事まで知らせるお付き合いにまでなったのです そこで十年ぶりに二家族が会う事になりました

       その後 矢部家 風間家の 家族ぐるみのお付き合いが始まったのです

      その時の話題と言えば 決まって出るのが 図書館での出来事です

      それと その頃の彼と彼女の 恋愛話を聴かされる 彼女の夫です

      苦笑いをして 時にはニコニコ そんな気さくな彼女の夫です

      そんな話の後には 「なんで僕と言う結婚相手が 居る事を言わなかったのかな」

      そんなお付き合いが続く 家族となったのです。

       

      サンシュユ タヌキマメ

      これを最後に終わりにさせて頂きます 拙い小話を長い間ご愛読頂き 誠に有難う御座いました。


      「今君は如何している?」百三十二話。

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        彼女からの年賀状と判ったときには 思わず頬がゆるむのを感じました
        その年賀状の事ですが 聞いた事もなければ 見た事もない 初めて見る名前なんです
        間違って配達されたのでは そなんな事は無いだろうと?
        先ず一番に我が住所と名前を 改めて確認したぐらいでした
        差出人の名前は 風見 陽一 その横に少し離して “真美”と有るでは有りませんか
        「真美ちゃんだ」 思わず声にして真美ちゃんって 言ってしまいました
        忘れていた訳では有りません あれか五年と言う月日が流れているのです
        その間ひと時でも忘れる事なんて ある訳有ありません
        な〜んて言っていますが 本当は忘れたくても 忘れられないのでしょう
        あの真美ちゃんが僕に年賀状を それにしても どのようにして住所を調べたのか?
        あの男性の名前で来るなんて それはそうだよね 結婚したのだからね 気になるのです
        そうだあの時 図書館の受付に置いてあるノートに記入し事がありました 思い出したのです
        今でもこの辺りに住んでいるのかな? 今もこの図書館に居るのだ
        年賀状に赤ちゃんが 可愛い女の子がと 書いて有りました
        彼女にそっくり そんな赤ちゃんであれが良いのに キットそうだよね
        雨もすっかり上がり 山の向こうまで秋空が
        大きく溜め息を そして ゆっくり車を出す彼です。
         
          つづきます。
        ジュズ ザクロ
         

        「今君は如何している?」百三十一話。

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          一つの傘に寄り添う二つのシルエット
          今でも大好きな彼女と あの時の男性です 結婚後の二人の姿でした
          その事を分って この場に車を止めたのですから
          こんな姿の二人を見ても 不思議ではない 自然な姿なのでは
          それでも あれだけ溶けあった二人の姿を目の前にすると
          頭の中では解っていても 許せない・・・ そんな思いも しないでは 
          「ずうっと想い続けていた 僕が可哀そうだよ」 なんて 我がを自分でなぐさめる彼です
          本当の事を言えば 新車を購入したからと理由を付けて ここに来た訳ではないのです
          実はですね 彼女から年賀状が 今年初めて届きましてね
          正直言って驚きました 嬉しいやら変な気持でした
          年賀状が届いたその時は ここにくるなんて 思いもつかなかった事です
          彼女を知ったのは夏の事です 五年前の事でした その季節になれば決まった様にあの日の事が
          昨日の事のように思い出すのです それは毎年の事ですが 今年は年賀状が届いた事もあって特にです
          秋になれば 忘れる事はなくても 彼女への想いも 薄れるのではと思っていたのですが
          今年はそれどころか 猛烈に彼女の事が思いだされ 愛しく思うようになって居ました
          それは年賀状が届いたからでしょう
          年賀状が届いてなければ ここへ来る事はなかったのです。

           
            つづきます。
          陽だまり リコリス
           

          「過ぎ去った思い出」百二十九話。

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            雀のさえずりと共に夜が明けました 一睡もしないで彼の横で夜を明かした彼女でした 
            永眠に着いた彼の旅立ちの日にふさわしい 澄み切った秋空が広がって居ます
            誰よも早く築田さんが来て下さいました 熱いオシボリで目を覚ました彼女です
            工事関係 病院関係 婦長 築田さん 彼女が住むアパートの人からも花輪が
            受付には見た事がある人が 看護婦さん達です
            彼がよく口ずさんで居りました歌が 村田秀雄の王将が流れて居ます 
            ありし頃の彼の笑顔が 楽しかった時の思い出が 止めどなく現れる 目頭を押さえる彼女です
            参列者の列は無く 一見ひそかなお式にもと思いますが 心のこもった立派な告別式なのです
            焼香の香りに混じって 集会所の垣根に咲くクチナシの香りが時々 そんな中での告別式なのです
            いよいよこれが最後 彼とお別れです
            喪主にあたる彼女 本来しつぎに手を添える事はないのですが
            私の手でと言うので 旅立ちのお手伝いを
            霊柩車の前に立ち 参列者へのお礼の言葉を
            「彼とのお付き合いは実質短くとも 楽しい日々の連続でした
            全く欠点のない 私にすれば最高の人 私の夫になる人でした
            姿を消してから十数年あまり 何度も諦めようと思いました でも出来ずです
            二度と逢えないと思っていた 次郎さんに逢えたのですから 私は本当に幸せ者です」
            何度も 何度も 言葉を詰まらせながら とぎれ とぎれに
            彼女の想いを込めた 聴いてもらいたい そんな挨拶なのです
            タイヤーの転がる音で 霊柩車が出ます..
            冷たい秋風が喪服の裾を揺らす 見送る彼女を後に 永眠の旅に出る彼でした。
             
             完。
            サンシュユ
            これを最後に終わりにさせて頂きます 本当に永い間ご愛読頂き 誠に有難う御座いました。
             

            「今君は如何している?」百三十話。

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              雨が降りだしてから かれこれ1時間あまり ずい分明るい空になっています
              それに陽が射して来たと言うのに まだ雨が少し降って居る様です
              明るい空に小雨 それがハレーションとなって シルエットの傘がこちらに近づいてきます
              所々にできた水溜りに 反射する光で目を開けて居れないほど眩しく
              彼の車はワンボックスですので 少し高い位置から見ている事になります
              小手をかざして見るのですが 水溜りに反射する光は 鏡とおなじぐらい強烈に眩しく感じます
              一つの傘には二人のシルエット その間から飛んでくる反射光 時にはオレンジ色になって
              「なぁ〜だ そうなんだ 二人なんだ」 そうです相合傘でした
              彼は何を思って 期待して 近づいて来る傘を見ていたのでしょう?
              車の横を傘が通り過ぎて行きました この位置からでは人の顔は確認できません
              一瞬見えた女性の姿が気になったのです 歩く姿を見れば分るのです
              「真美ちゃんだ」顔こそ見ていませんが 彼には分るのです
              と言う事はあの時の男性と言う事でしょう 男性の片手には一本の傘が有りました
              日中だと言うのに人通りが無いと言え 腰に手を沿えてピッタリ寄り添う
              そんなところを見せられると なんで どうしてだよ でも 彼女への想いは変わらない
              今でも好きな事には変わりないのです
              彼女もおなじ想いだと 自分に都合の良いように思っている そんな彼なんです。
               
                つづきます。
              ヒガンバナ
               

              「過ぎ去った思い出」百二十八話。

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                永く辛い夜が明けました 何時までも悲しんでは居れません 彼とのお別れその儀式があるのです
                町内の集会所をお借りして 通夜を行えるようにして頂きました
                静かに眠る彼の横には 喪服姿の彼女が見えます
                祭壇には遺影が
                彼は写真を写されるのが嫌いな人でした カメラを向けると直ぐにふざける おどけて見せる
                こんな事で喧嘩を その時のおどけ顔 そんな写真です
                こんな場で必要になるなんて 大事に残して置いた たった一枚の私の宝物です 
                「私の想い分かって居たはずよ あなたは本当に罪な方ね」 冷たい笑顔で遺影に そんな彼女です 
                つい先ほどまで築田さんが居られました 今夜は交番での当直との事で 帰られたところです
                 その後 近所の方が入れ替わり来て下さって居ます
                永い夜が明け東の空が明るくなって来ました 今朝も変わりなく雀のさえずりが賑やかに
                彼女にはどの様に聞こえて居るのでしょう。
                 
                つづきます。
                クサギ
                 

                「今君は如何している?」百二十九話。

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                  突然パラ パラ パラパラパラ 車の屋根をたたく音で 眠りから覚めた彼です
                  どのくらい経ったでしょう 山の向こうが時々明るく 稲光です
                  空を仰ぐと薄気味悪い黒い雲が こちらに向かって広がって来るのが見えます
                  車を出そうとキーに手を掛けた その時 周囲が一瞬明るくなったかと思いきや
                  バリバリ ゴロゴロ 飛び上がるほど大きな音が 雷鳴です
                  それに続いて一寸先も見えないほどの 大粒の雨が急に車の屋根をたたき出したのです
                  耳をふさぐ そのくらい大きな音です
                  見る見るうちに道路が川のように 下り坂とも有って水の流れが速いのです
                  今車を出すのは危険です もう少し小降りになってからと 空をながめて待ちます
                  轟く雷鳴におどろき その度に首をすくめたり 耳をおさえる
                  周囲が山に囲まれて居るからでしょうか 雷鳴が響き恐ろしく感じます
                  一時の事を思えば大分雨の降りが治まってきたようです もう少し待ってから車を出そうと空を
                  そして 今来た方向に眼を移しました その時です
                  図書館の門柱から ひとつの傘がこちらに歩いて来るのが見えます。
                   
                    つづきます。
                  ヒガンバナ
                   

                  「過ぎ去った思い出」百二十七話。

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                    院内では怖い事で知られています でも気持ちの優しい婦長です
                    それだけに 彼女の思いが判っているのです どうしようも出来ない婦長です
                    「さあ 立つのよ 彼方の気持ちは分かるわよ 如何して欲しいの」と言いつつ
                    彼女の髪を分けながら 涙を拭って上げています
                    真っ赤に充血した目を腫らし 何か言おうとしている様ですが 泣きジャックって言葉になりません
                    たいていの事なら何とか出来るのですが これだけは如何すれば良いのか?
                    築田さんの顔を見て 助けを求めています 
                    「エッそんな・・・ 無理を言わないで」と言ったような表情で 顔を左右に 逃げる築田さんです
                    その事が判ってか しっかりした口調で「ごめんなさい」と一言
                    気を取り直した様に立ち上がり 婦長に頭を
                    それから 築田さんにも おなじように丁寧にお辞儀を
                    彼の死を受入れなければならない これは現実夢ではないのです
                    彼の旅立ちを実感した その瞬間でした。
                     
                     つづきます。
                    日本列島 小人のハウス
                     

                    「今君は如何している?」百二十八話。

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                      気が付くと我が思いと関係なく ブレーキペタルに足を置いていた 車が止まって居たのです
                      ブレーキから少しだけ足を タイヤーが3回ほど転がっただけ 再び止めたのです
                      彼女と最後の別れになったところ 思い出したくない 消すに消せない
                      そんな思いが頭にこびり付き 今でもあの時の彼女を 最近の事のように思い出すのです
                      それを思うと簡単にこの場から 立ち去る事が出来ずにいるのです
                      エンジンを止めると そのエンジンの過熱したチリチリと 妙な音が聞こえるだけです
                      静かになった車内 また あの時の想いがよみがえり目頭が熱く 瞼を押さえる彼です
                      目を閉じると最近あった事のように あの時の状況 彼女の顔姿が強烈に迫って来ます
                      「真美」 思わず声にして叫んでしまったのです
                      何と情けない僕なんだ チョッピリ恥ずかしさを そんな事を思うのです
                       彼女と別れたその後の想い それに長時間のドライブの疲れも加わり 眠ってしまった様です
                      そんな彼なんです。
                       
                        つづきます。
                      ヒガンバナ
                       

                      「過ぎ去った思い出」百二十六話。

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                        こうなる事は時間のもんだい 分って居たのです 承知でした 
                        覚悟していたと言え やはりショックを隠しきれない様子
                        彼の命は永くない その辛さを何とか紛らわそうと 気が触れたように
                        そんな振る舞いをしていた事は 自分でも判っていたのです
                        堰が切れたように 雨滴が落ちるように 涙をこぼして
                        「済みません ご迷惑をお掛けしました もう大丈夫ですので」と言いながらも
                        床に座り込んだままの彼女です
                        そんな彼女に掛けて上げる 言葉も見つからないのです
                         黙って見るに耐えなく 彼女の前にしゃがみ 抱き寄せる婦長
                        止めどなくこぼれる出る大粒の涙 糸を引くように鼻水が
                        そおっと涙を拭ってあげる婦長です
                        床に座ったまま泣きじゃくり 婦長の背に手を廻しています
                        顔を押してける様にして 離れようとしない彼女です
                         
                          つづきます。
                        ヒガンハナ
                         


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