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    • 2017.06.21 Wednesday
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    「平成っ子」二百七九話。

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      「ヒロミねぇ 大阪に向かう列車内でハッキリ決めたの ジュンちゃんをとね」

      広美の説明に納得

      「そうやったんかぁ〜 分かった 僕に決めてくれたんやなぁ 有難うやでぇ」

      よかったぁ分かってもらえてそんな思いの広美 一緒になれると実感を得たそんな思いの順次

      双方同に思わず笑みが そんな二人である 

      二人がこの様になるまで それはそれは ずい分長い道のりであった

      広美が高校時代そんな頃であった

      順次を含めて数人の仲間の一人だった女の子に陰ながら そおっと想いを寄せて居た順次

      それが広美と言う女の子 男まさりの女の子を知ったのだ

      その頃自分の想いを広美に伝えて置けば 十年もの長い間苦しまなくても済んだのではと思う順次

      順次の想いを多少でも分って居れば 伊崎と言う同年の男子にこれほど強く引かれる事は無かったはず

      広美は伊崎に自分の存在を分からせる迄 一年以上も掛かっている

      その後 短い間にすっかり広美に熱を上げた伊崎 そんな時 互いに大学受験に成功

      伊崎は東京へ となると広美の性格として簡単に逢えない そんな思いはもう沢山だと言う事で

      別れる事になった その後で順次の想が広美に伝わったのだ

      一年もの長い間 順次がもう少し自分の想いをアピールして置けば 話は変わって居たのではなかろうか

      順次の想いをくんでデートをと思って居ても 仲間のボス言おうかその田中は

      広美を自分の彼女と決めて居たので 広美とのデートにずい分気を遣う事も そんな順次であった

      なので思うように逢えない それが現実だった

      それは昔のことです 広美の想いはこれからずっと順次一人だけなのです

      そして 広美とつながる男性は居ないのです

      広美と順次は十年 イヤ以上長いお付き合いでした これ以上長い付きお合いなど必要ないのです

      早くお式を挙げて可愛い赤ちゃんを そんな日も近い事でしょう。

       

      完。

      これを最後に終わりにさせて頂きます 拙い話を長い間ご愛読頂き 誠に有難う御座いました。

      白菊月 宗偏侘助

       


      「平成っ子」二百七八話。

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        「僕は嘘や何て言うてヘンでぇ ヒロちゃん言うとったやろ まさか来るやなん思てへんて

        ほんなら何で信州なんかに行ったんやぁ? 伊崎さんは来ないと思うんやったら おかしいでぇ」 

        矢田にすれば 相手が来ないと思って居るなら何故行ったのか? 面白くない様だ

        「その事なんだけれどねぇ 十年後に会えるって言い出したのは まぎれも無くヒロミなんだからねぇ

        だから気になって居たの 約束した日が迫って来るに従って 凄く悩んで居たんだぁ

        そんな時に会社の仲間から お願が有るのって言われたの 長野支社に出張に行く事になったとね

        それでねぇ 代ってもらえないかって お見合いする日と重なって居るらしいの

        その子が言うの 以前叔母に言われて一度断っているので 今度は断る事が出来ずに

        ハイって返事をしてしまったって言って居るの そう言う事でヒロミに泣きついて来たと言う訳

        長野と言えば信州だよ そんな事でついでにと思ったの ヒロミ凄く悩んで居たんだもん

        それでねぇ つい引き受けてしまったと言う訳 伊崎さんに会う為に信州に行ったのでは無いのよ

        本当なんだからぁ〜 本当に来るなんて思っても居なかったのよ」

        「チョットは来と期待しとったんチャウカァ」 「うん〜〜 そうかもねぇ イヤそんな事なかった」

        「そうかも知らんけど結果は おうたんやないかぁ もうエエから 分かったからそんな顔すなや

        僕はヒロちゃんを信用してるんやからなぁ」 仕方なく不服そうな顔で

        「去年の秋に二人で万博に行った時の事だけどね ジュンちゃんに結婚を前提とした付き合いをと言われた

        時に もう少し待ってと言った事憶えて居るでしょう それは伊崎さんの事が気になって居たからなの

        そんな気持ちでジュンちゃんとお付き合い出来ないよ そうでしょう 結婚を考える相手となんだから

        ヒロミがジュンちゃんとお付き合いしたとしてだよ 一緒になっても

        伊崎さんへの想いが無くなる訳でも無いでしょう そんな事になれば ジュンちゃんも ヒロミも

        幸せになれないもの だから心の整理をしなくてはならない その様に思ったの

        ヒロミの気持ち分かってもらえるかなぁ」 そんな広美である。

         

         つづきます。

        サザンカ

         


        「平成っ子」二百七七話。

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          矢田の方は伊崎の事など初めから聞く積りは無かった でも広美の方から話しだした

          話し始めた時は興味半分 何と無く聴いて居たのだが 変な人も居るのもだと聞いて見る

          「え〜 ヒロちゃんの話しによると 学生時代に二回おうただけ その後一度もおうてない?

          さっき伊崎さんを見た時の事やけどなぁ 十年ぶりにおうたやなんて そんな事ぜったい思われへんわ

          そんな感じや無かったでぇ〜 ひと昔それも二回おうたぐらいであんな態度出来るんかぁ?

          僕には理解でけへん 訳分からへんわ」? 大きく目を開いて広美を観る

          「そうだよねぇ〜 いろいろ有るのよ 本当の事なんだからぁ 二度会ったでけよ嘘じゃないのよ」

          何とか分かって欲しいそんな思いで 眉間にシワを寄せ矢田を観る

          「いろいろ? そのいろいろとか言う話しどんな話しなんやぁ 嫌やで無かった聞きたいもんや」

          「嫌じゃ無いよ じゃぁ簡単に言うわねぇ」 秘密にしたく無い 変に思われるのも何だしと切り出す

          「今さっき伊崎さんが言ってた事なんだけどね 昨日信州の松本で会ったの それはねぇ〜

          ここからが問題なのよ 変な話しだと思わずに聞いてよねぇ

          学生時代にアコードって言う所で 駅前の書店の近くに在る喫茶店での話しだよ

          伊崎さんとお付き合いを止める為別れ話をね 伊崎さんはイヤだと言うの

          簡単には別れられないの 正直に言うわよ広美もそうだったの あの時はねぇ

          だからヒロミの方からなんだけどね〜 十年以後に逢えるって言って見たの それが信州って言う訳

          まさかホントに来るなんて思って居なかったもんねぇ〜 だからそんな約束したの

          まさかホントに逢えるなんて思って居なかったのよ」

          広美の話しを聞いて変な笑いをする矢田に 「本当なんだからぁ〜 嘘じゃないよぉ〜」

          何やら話が難しい方向へと進み出した様だが さて何て説明する そんな広美である。

           

           つづきます。

          十月さくら

           

           

           


          「平成っ子」二百七六話。

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            矢田は伊崎との事を尋ねようとしない ならば このままにとも思ったのだが そうは行くまい

            伊崎との成り立ちを矢田に説明して置かなければ その様に思う広美

            「ヒロちゃんは女子高やったなぁ うん〜 伊崎さんとか言うとったなぁ さっきの人

            その伊崎さんと言う人やけど 男前と言うたらエエんか イケメンちゅう感じやなぁ〜

            ヒロちゃんに目を付けるとは なかなか立派なヤッチャ 目が高いちゅうこっちゃ

            何所で知り合ったんやぁ 一番初めはどない言うて伊崎さんから声を掛けられたんやぁ」笑顔で

            え〜 イケメンそれは納得出来る 私もおなじ思い でもその後がチョット違う

            イヤ チョットでは無いずい分見当はずれだ その通り 矢田の説では伊崎が広美にと言う事になる

            広美から伊崎に接近した訳で 何て説明したら良いのやら 一年もの間人に言えないぐらい苦労して

            やっと逢えたなんて言えないのだ それでも それらしい事は言わなくてはと思って見るのだが

            「最初に話し駆けたのはヒロミなの だって伊崎さんたらヒロミを見ているだけなんだからねぇ

            だから広美からと言う事だよ あの人無口と言おうか黙って居るときの方が多いのよ

            だから会話と言う会話なんて殆ど無かったねぇ 初めて伊崎さんと話しをしたのはマドンナって言う所よ

            ジュンちゃんと会ったお店だよ その後一度だけ駅前の書店近くのアコードで会ったの

            それだけなのよ 伊崎さんとお話しをしたのはねぇ」

            確かにその通り 広美の説明そのものは間違って居ないが でもそんな単純なものでは無いのだ

            広美の話しを聞いて不審な目を そして首をかしげる矢田

            そんな矢田を観て「何でそんな眼でヒロミを観るの ホントなんだからぁ〜」 そんな広美である。

             

             つづきます。

            覆輪侘助

             

             


            「平成っ子」二百七五話。

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              矢田から心配だったと聞いて 嬉しくとも ごめんとも思う広美だがその照れ隠しに

              「嫌だよ何でそんな事言うの ヒロミを信じて居ないのね そんな事言わないでぇ これからはダメだよ」

              「僕の思い違いかなぁ サッキの人と何処かで会った様に思てしゃない ずっと昔の事やけどなぁ」

              ひと昔の事なのに憶えて居たんだぁ 目を丸くしてビックリ そして笑顔の広美

              「そうお なんでそんな事思うの」 わざと言って見る広美

              「ちゃうかなぁ? 何所でやったか全く憶えてないんやぁ さっきのヒロちゃんの感じから見て思たんや

              あの人を見る眼がなぁ どう言うたらエエか チョッピリやけどなぁ 眼が潤んどった様に見えたんや

              とにかく普通や無かったでぇ だい分以前からおうとったんやぁ そない思ってなぁ

              「そうなんだぁ それで二人っ切りにしてくれたのね ヒロミ判ってたの ヨウちゃんの思いはねぇ

              感謝して居るんだからぁ なのに遅れて来るなんて困ったヒロミだよねぇ そう思って居るのでしょう」

              「ほんまやでぇ困ったヒロちゃんや それにしてもあの人何処かで見たような? 思い出されへんわぁ」

              「あの人は伊崎洋介さんって言うの ジュンちゃんはね十年前に一度だけ会ってるのよ

              学生の溜り場と言うか 明るい喫茶店でね」

              「そんな昔の事なん?! エ〜 チョット待ってやぁ そうやぁ思い出したでぇ

               その喫茶店と言うのは今でも在るよなぁ? 確かマドンナとか言う所やった そうやろう

              親父に言われて そうや誰かに会いに行ったその時やったわ その後は憶えてへんけど

              そない言われたらそんな事も有ったよなぁ〜 ヒロちゃんが学生の頃や」

              思い出してくれた これで少しは伊崎との関係を説明し易くなった そんな広美である。

               

               つづきます。

              サザンカ

               


              「平成っ子」二百七四話。

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                矢田が待つ喫茶店に跳び込む広美 約束時間はとっくに過ぎて到着 心配のあまり顔色が優れない

                辺りを見渡すが矢田の姿が見えない 遅れているのか? イヤそんなはずなど絶対にない

                矢田の好意で伊崎と二人きりになれたと言うのに こんな時に遅れるなん普通じゃない

                とんでも無い事をしてしまった 如何すれば良いの私は 「許して」小声で

                矢田の行為を踏みにじった様な思いに駆られ ますます不安な思いが広美におそい掛かる

                今にも泣きそうな顔で改めて店内を見渡してもダメ 足元の席に腰を下ろした その時

                ココだよって言う様に 角のカウッター席から笑顔で手を振っている矢田が目に映る

                背もたれから身をお越し背を伸ばして 何でそんな意地悪するのと言わんばかりに 左右に顔を振る

                「待ってたんだよ 送って来たのかな 大変だったね」 広美の前に腰を下ろす 

                待っていてくれて居たのだ 良かったぁ〜 その思いで胸がいっぱい

                ホットしたのか声を出せない広美に ニッコリ笑って見せる矢田

                その顔が滲んで見える 突然熱い涙がポロポロ頬を伝う 「ごめんなさい」頬を伝う涙を拭こうともせず

                アゴを引き上目遣いで眉を八の字に そして矢田の顔を見る広美 ハンカチを差し出す矢田

                「大丈夫 少し待っただけだよ」眼を細めて よくそんな事言えるものだ 一時間? イヤそれ以上だ!

                「分かったから もう良いから みんなが見てよ早く涙を」なんてなぐさめる

                真っ赤に充血させた眼をして アゴを引き 鼻をすすりながら矢田を観ていたが

                手洗いに立つ しばらくして戻って来る 「もう涙なんか 大丈夫ごめんなさい」

                「僕はね ヒロちゃんとサッキの人と ココで待って居るものだと思って居たのに

                二人とも居ないからチョピリ心配してたんだぁ 本当なんだから」

                心配だなんて矢田から言われ ごめんと思うと同時に嬉しくも思う そんな広美である。

                 

                 つづきます。

                山茶花 朝倉

                 


                「平成っ子」二百七三話。

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                  「彼を待たせちゃダメだぞ早く行ってやれよ 僕行くから今度はホントなんだから もう戻って来ないぞ

                  彼に可愛がってもらうんだぞ 幸せになるんだぞ」 その声は何となく涙声に聞こえる

                  少しの間でも一緒に居たいそんな思いの表れなのか 口では行くと言いながらこの場を去ろうとしない

                  学生頃の伊崎を思い出し あまりの変り様に驚くばかり ただウンウンとうなずくだけ

                  これで本当の別れになるのだと思うと 如何した事か目頭が熱く 目のやり場に困る広美

                  頼もしくなったものだと思いもしないでは無い いろいろ思う おかしな自分に気がつき

                  そうなんだ 伊崎が言うように私には矢田順次と言う 優しい彼が居るのだからと気を取り戻し

                  「私にも言わせて ヨウちゃんって・・・ 」目頭を押さえながら そして眼が合うと直ぐに俯く

                  私の事をヒロちゃんって言いたくて ただそれだけで戻って来たのでは? そうなんだぁ

                  ならば私も “ヨウちゃん”って合わせたのか 伊崎は一瞬ビックリ 直ぐに嬉しそうにニッコリ

                  思って見れば一度だってヒロちゃんなんて そんな風に呼ばれた記憶はない

                   そして 「ヨウちゃんこそ 幸せになって下さいね」笑顔で言う積りが強張った顔に

                  涙を見せまいとこの場から駆けだす 矢田が待つ地下への階段を 一度も振り向く事なく駆け降りて行った

                  その後を追うように伊崎も階段を降りるところまで駆け寄り 広美の後ろ姿が見えなくなるまで見送る

                      しばらくその場に立ったまま両手をポケットに 霞んだ春の夜空を眺める伊崎

                  その後ろ姿が泣いて居る様にも見える

                  そして大きくため息を ゆっくりした足取りで闇夜に消えて行った伊崎。

                   

                   つづきます。

                  サザンカ 千代の鶴

                   


                  「平成っ子」二百七二話。

                  0

                     

                     

                    “ヒロちゃん” だなんて突然言われたって意味が分らない どう応えたら良い? 変な感じ!

                    こんな風に何度言おうかと思った事か やっと言えた これで良いとチョピリ嬉しくさえ思う

                    昔から思っていたんだ 田代さんって呼んで居たけど一度でいいから ヒロちゃんって言って見たかった

                    誰もいない所でヒロちゃんって言って見ても実感が無い 本人が居る前で言うのはやっぱり良いものだ

                    十年前 田代さんと最後の日 その時は別れたくない その事だけだった

                    幾日か過ぎ 気持ちが落ちついて来たころ 田代さんを想う度 この人は大人になれば綺麗になる

                    今ココで見る田代さんは 僕が想像して居たより 凄く綺麗に 魅力的な女性に変身だ 

                    広美の方は伊崎がココに戻って来た時 幻を見た様な 夢でも見ている様な そんな思いさえ感じて居る

                    私の名を言った後 “一度でいいから言って見たかった” そんな事言っていたけれど

                    ただそれだけ言いたくて戻って来たなんて 伊崎の想い何となく分からないでも無い そんな思いがする

                    それにしても変わった 学生頃の伊崎はこんな風では無かった 全く面白くない男の子

                    話題も無くそれに無口ときていたから 私から話し掛けることが殆どだった

                    そうだった 伊崎とはデートと言える様な会い方は一度だって無かった

                    一方的に私が遠くから見ていただけ 伊崎は私が居る事さえ知らなかったのだ 昔の伊崎を思い出す

                    「これから何所に」? 黙って広美を観て居る 「黙って居ては 分からないじゃないの」

                    「僕なら何とでもなるサ 両親の所へでも行けるからね 有難う」 チョッピリ頬がゆるむ

                    広美にすれば「御両親 そうだよねぇ〜」その様に言うほか言葉がないのだ

                    僕を案じて言ってくれた 嬉しいのだ 今の伊崎にはどんな言葉を言われても嬉しい様だ

                    これで伊崎とは最後 顔を見る事も無いのだと思うと 自然に目頭が熱くなる そんな広美である。

                     

                     つづきます。

                    頑張ってます 朝倉

                     


                    「平成っ子」二百七一話。

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                      人通りが多いと言っても この時間になると人も少なく 二人の行動が眼立つ様になって来た

                      「アラ嫌だわぁ〜 もうこんな時間なのね あのねぇ〜伊崎さんはあの人とは初対面じゃ無いのよ」

                       何を言って居るのか 伊崎には訳が分かって居ない様だ

                      「なぜそんな事言うのかなぁ」 「いいの 分からなければそれでいいのよ」

                      伊崎にはもうどうでも良いのだ そんな事今さら聞いてもどうしょうもい無い

                      今までなら分からなければそれで良いなんて 言われたら気にしていたものが 今はそんな事気にしない

                      「あの人ねぇ 矢田と言うのサッキの人だよ 伊崎さんよりもっと前からの人なのよ

                      お付き合いをと言う程の人じゃ無かったの そうだねぇ数人の仲間の一人と言う方が合って居るかも

                       「もういいから 僕に気を遣わなくても分かって居るから」 広美の手首を捕まえ時計を見ながら 

                      「もうこれで十分 これ以上一緒に居たら田代さんを連れて東京へ イヤそれは違うかぁ 誘拐かなぁ

                      そんな気持ちにならない前に 僕行くから」 チュッとオデコに そしてこの場から去って行く

                      広美は言葉が無い 大好きな伊崎が去って行く後姿を見送るだけ

                      柱の陰に隠れた伊崎が姿を現すのを待って居るのだが 柱から姿が現れない

                      そうなんだ真っ直ぐ行ってしまったのだ

                      柱を背にしてそのまま去って行ったのだと決めて 矢田と約束した地下に在る喫茶店へ向かう広美

                      もう少しだけ一緒にと思って居たのに 行ってしまうなんて その広美の前に突然姿を現す伊崎

                      何が有ったのかと思う程 凄く緊張した面持ちで広美の正面に立ったかと思うと

                      何の前置きの無く「ヒロちゃん・・・ 」って ただその一言だけ そして数秒後に

                      「いいなぁ〜この響き 一度でいいから言って見たかった・・・ 」

                      何の事なのか? 何が言いたいのか サッパリ分からない?

                      でもその口調が 甘く優しくそして切なく キュンと感じる そんな広美である。

                       

                       つづきます。

                      センリョウ モミジ

                       


                      「平成っ子」二百七十話。

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                          何とも言えない表情で矢田を観る広美 いいから早く行けよと言うように眼で合図する

                         一度はその気になった広美だが直ぐに立ち止まる 「いいから早く 今なら追い着くから」強い口調で

                        背中を押されてやっとその気になった 「有難う」伊崎の後を追う広美

                        追い着く事が出来るのかと広美の後から遅れて走る 追い着いた事を見届けてから

                        二人が行った反対の方へと歩き出す そして二度三度振り向きながら 何処え行くともなく

                        人混みにまぎれ消えて行った

                        「来てはダメだよ何故来たの 一人なんだぁ あの人は何所へ」!?

                        「後で来るの それまで伊崎さんと一緒にねって言ってくれたの だから来たの」

                        「僕はイヤだね ハッキリ言うけど迷惑だよ」その声は若干悲しく 微妙に震えて居るようにも感じる

                        伊崎の手を探す広美 それに応える様に広美の手を握る伊崎 そしてハンカチで涙を拭う

                        しばらく無言で歩いて居たふたりだが 広美が「好きだよ」って伊崎を仰ぎ見て声を

                        「エッ」小声で思わず発する伊崎 そして歩みを止め広美を抱き寄せようと一瞬そんな行動を

                        広美は全くためらう様子も見せず 伊崎に寄り添おうと身体を持ってゆくと 

                        意外な行動を起こす伊崎に「如何したの 何で 如何して 私を避けるの」

                        伊崎は寂しい眼で無言のまま しばらく広美と瞳を合わせて居たが顔を左右に 

                        「僕なんか早く忘れてあの人と幸せになるんだ でも 時々で良いから僕の事を思い出してよね」

                        その言葉に何も言えなく ただ伊崎の眼を見ているだけ そんな広美である。

                         

                         つづきます。

                        青モミジ

                         

                        「平成っ子」1200 269話15



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